講義スライド(PDF)

テーマ 第1回 生体内のエネルギー産生

主題 生体内のエネルギーの意味を解説する

主題細目 @生体内のエネルギー産生の概略 A電子運搬物質NADHのはたらき Bミトコンドリア

概要

@炭素を直接酸素と反応させる燃焼と違って、生体内で炭水化物をエネルギー源として用いるには、そこから電子(ヒドリドイオン)をはぎとり、酸素と反応させ、水の生成とともに放出されるエネルギーを利用する。そうして生じたエネルギーは水素イオンポンプを駆動して水素イオンの濃度差を作り出すために使われる。水素イオンが濃度差に従って流れ込む際にATP等の高エネルギーリン酸結合を有する物質が生産され、さまざまな細胞内化学反応を推進するエネルギー源となる。関連して、燃料電池と生体内のエネルギー産生との類似点と相違点を指摘する。

A細胞内で化学反応を行う際に電子が乗って移動する「ヒドリドイオン」を安全に供与する電子運搬物質のひとつに、NADHがある。NADHは電子と水素原子を供与して(つまり他を還元し、自分は酸化されて)、NAD+になる。NADHとFADH2という電子運搬物質が、ミトコンドリアの内膜では、最終的に酸素に電子を渡す(酸素を還元する)ための複数の種類のタンパク質からなる「電子伝達系」で、タンパク質間の電子のやりとりにはたらいている。

B真核細胞の構造について簡単に解説し、とくにミトコンドリアの構造が化学反応を封じ込めるリアクターとして機能していること、出し入れをする必要のある物質に限ってチャンネルを用意していることを解説する。ミトコンドリアはエネルギー産生以外にも物質代謝で重要な役割をしていること、それと関連して、筋肉と肝臓にミトコンドリアが豊富であることを解説する。

参考

Cellular Respiration (Electron Transport Chain)

Gradients (ATP Synthases)

Microbial Fuel Cell Video

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