第9回 タンパク質代謝 講義資料

テーマ 第9回 タンパク質代謝

主題 アミノ酸・タンパク質の代謝

主題細目 @タンパク質の代謝回転(ターンオーバー) Aアミノ酸の種類  Bアミノ酸の代謝経路

概要

@タンパク質はアミノ酸からできている。アミノ酸は中心となる炭素にアミノ基とカルボキシル基が結合したキラルな化合物で、タンパク質に含まれるアミノ酸はL体である。炭水化物や脂質と違って、アミノ酸を貯蔵しておくことはできない。体に含まれるタンパク質は毎日一定の割合が分解されてアミノ酸になる。そして遊離アミノ酸(アミノ酸プールと呼ばれる)から、分解されただけのタンパク質のほかに、窒素を含むいろいろな物質ができる。アミノ酸の代謝はこのような平衡状態にある。摂取されたが合成には使われない余分なアミノ酸はエネルギー源として、あるいは脂肪の貯蔵に、用いられる。

A20種類のタンパク質を構成するアミノ酸は、必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分けられる。非必須アミノ酸は他のアミノ酸から合成可能である。必須アミノ酸は大人と子供とで違う。必須アミノ酸の欠乏は欠乏症を引き起こす。また必須アミノ酸代謝の先天的障害も疾患を引き起こす。アミノ酸は、炭素骨格がTCA回路の中間代謝物になり糖新生に使うことのできる糖原性のもの、炭素骨格がケトン体になり最終的にアセチルCoAになってエネルギー源になるケト原性のもの、とがある。

B大きく分けて、アミノ基を取り除いてできるアンモニアを無害な尿素に変える尿素回路、アミノ基を転移させることなどで別の種類のアミノ酸を作る反応、ポルフィリン核を含む化合物(ヘムなど)や核酸などの重要な物質を作る反応、に分けられる。